医師のイメージとコンサルタント
いきなりだが、病院で出会う医師について患者さんたちはどれだけ知っているだろう。もちろん、具合が悪い中病院を訪れる為目の前の医師を注視する暇もゆとりもない。目の前の医師に対していい医者か優しいか程度の関心を持つので精いっぱいなのではないかと思う。これほど身近にかかわっている一方実像を知られていない職業もそうないのではないか。
一般的に医師というと、「受験戦争を勝ち抜いてきたエリート」「外車などいい車に乗っている給料取り」もしくは「いかなる状況でも患者を助けるべき聖職者」などのイメージを持たれがちだろう。その上、今日のメディアでは医療ミスや急患を断る病院などの報道が度々なされる為、おのずと病院の向こう側で冷淡に見下しているようなイメージを持ってしまうのかもしれない。
ところで、人材紹介の会社というのは多く存在しているが、医師の転職やアルバイトに特化した紹介会社があることはまだあまり浸透していないように感じられる。年棒が高額な業種に特化型の会社が集中してしまうのも一つの要因だと考えられるが、人の転職に介入するという事はその人生の一端に携わる事と言えるだろう。職場を変えるという事が大きな決断になる人だっているわけだから、機械的な仕事では結論が出せないのはうなずけるだろう。この場合、医師が転職にあたり何を求めているのか、転職後に何がしたくて何がやりたくない事なのか。何を理想として掲げ、どのような想いをもって転職しようと決断したのかに耳を傾けコンサルタントはサポートしていく事が重要と考えられるだろう。相談・提案を繰り返す中で付き合いが深まっていき、転職の成功失敗に関わらずその後も付き合いが続くことも珍しくないのではないだろうか。その中で、担当する先生方の愚直さや悲しみ、滑稽や強かさなども垣間見ることができるだろう。