テーピング
テーピングをすると健常者と同じ歩き方ができるようになったと喜んで いたクライアントがいました。テーピングは時間とともに固定力が落ちてしまうこと、また皮膚がかぶれやすいという欠点があった。テーピングの代わりに足底板による傾きの補正で、同じような矯正ができないかためしてみることになった。試してみると足首の距骨の腫骨への滑りは抑えられ、テーピングとほぼ同様の効果があった。ただ膝や必要に新たなアライメントが要求され、痛みや疲れが現れてきたため、セッションでは主にそれらの筋疲労を取り除くパートナーストレッチを中心に行うようになった。
地道なストレッチとトレーニングの継続によって、右脚の筋力も高まり、左右の脚にほぽ均等に体重をかけて立つことが可能となった場合もありました。骨盤も正常な位置に近づき、右膝の痛みも違和感が多少残る程度に改善した。右の脚に体重を乗せて歩こうとすると右足首の距骨が腫骨の上をすべるような感じがして、 しっかり体重をかけることができないという訴えがあった。足首の痛みはほとんど感じないところまで回復したのだが、通常の歩行パターンで歩こうとすると足首の不安定が残っている。これまで足首の筋肉を鍛えるエクササイスもずっと続けてきたのだが、靭帯の損傷が大きく、異常な可動性を持った足首を固定させるほどの筋力はなかなかっかなかった。
そのときに、スポーツで行うテーピングを施して足首の安定性をサポートすることを思いついた。早速「ヒールロック」という方法で足首を外反させて固定したところ、距骨が腫骨の上を滑らなくなり、思い切り右足に体重を かけても安定した状態を保つことができるようになった。15 年ぶりに普通の歩き方ができた。