手元供養の実際

手元供養の実際

お墓を買えば、納骨堂に依頼すれば、後は放っておいても大丈夫だと考えてはいませんか?その考えは甘いと言わざるを得ません。お墓は永遠に屹立するわけではなく、長い年月の中で取り壊されたり、自然損壊したりします。納骨堂も、管理会社の倒産という問題が発生し得るのです。ですから自宅外の保管が難しくなった時のために、手元供養の手順を知っておいた方が無難です。以下、具体的に説明することにします。

先ず法的な側面ですが、遺骨を自宅で保管することに問題はありません。「墓地・埋葬に関する法律」に定める「墓地、納骨堂」は、そこに預けなければ罰せられるという意味ではありません。ですから、親類が自宅で保管する分には、違法性を問われることがないのです。ただ遺骨は湿気に弱いという性質があるため、素人が保管するのは難しいと覚悟しなければなりません。燃焼後の乾いた骨を、陶製の骨壺に入れて保管するわけですから、いかにその乾いた状態を維持できるかがポイントです。

基本的な対策としては、骨壺を桐箱で厳封することです。桐箱は湿気に強いので、これである程度守ることが出来ます。それ以外の対策としては、旧式住宅の場合、仏間で保管することが勧められます。しかし現代風の住宅が大半を占めるでしょうから、保管場所の選定に時間を掛ける必要があります。直射日光の当たらない、風通しの良い所を選ぶようにしましょう。その他にも、粉骨するのは効果的です。火葬後すぐに粉骨すれば、菌の繁殖を抑えることが出来るのです。但し宗派によっては禁じられていますから、可能かどうかを確かめてから行うようにします。